不思議コラム (91~)
91.第九惑星
「予言の解釈-9.黙示録の解釈」では、地球の軌道変化に関係すると思われる次のようなノストラダムスの予言、およびラ・サレットの告知をご紹介しました。
【ノストラダムスの予言】「そして十月に大きな周期がきて、だれもが地球は自然の運行を失ない、永久の暗黒の中に沈むと考えるほどのことが起きるのであります。」 (大乗和子:訳、『ノストラダムス大予言原典諸世紀』)
【ラ・サレットの第30の告知】「一年の四季が変わってくるでしょう。地は悪い産物しか生み出さなくなるでしょう。天体はその運行の軌道を見失なうでしょう。月はぼやけた赤味をおびた光を出し、火と水は地球の上で発作的な動きをひきおこすでしょう。そして、恐しい地震が山々を、都市をのみこんでしまうでしょう。」(鬼塚五十一:著、『ファチマ大予言』)
これらに描かれている災難について、その原因となる物理現象をあれこれと考えてみたのですが、もっとも可能性が高いのが第九惑星かもしれません。
第九惑星については、2016年にANNが次のようなニュースを報じていて、質量が地球の約10倍という巨大な天体が太陽系に存在することが確実で、公転周期は約2万年、太陽からの距離は960億kmと推定され、非常に遠い場所をゆっくりと移動しているため、まだ観測することができないのだそうです。
この「発見」は、海王星よりも外側を周回する小天体のなかに、カイパーベルトとよばれる円環状の領域から大きく外れた軌道を持つもの(上図参照)が発見され、これがカイパーベルトの外側に存在する第九惑星の影響ではないかと考えられたことが発端となったそうです。
カリフォルニア工科大学のマイク・ブラウン氏(下図右側)は、この馬鹿げた考えを否定するため、同僚のコンスタンティン・バティギン氏(下図左側)に、第九惑星が存在すると仮定したシミュレーションを依頼したのですが、予想に反して、観測された軌道とそっくりになったそうです。
加えて、このシミュレーションによって、太陽系の惑星の公転面と垂直に交わる軌道を持つ小天体の存在が予測され、実際にそのような小天体が5個確認されたため、第九惑星の存在が確実視されることとなったのだそうです。
第九惑星がどのような姿をしているのか、まだ誰にも分かりませんが、地球のような岩石惑星か、木星のようなガス惑星か、あるいはメタンやアンモニア、水などが固化した氷惑星ではないかと考えられているそうです。
参考までに、太陽系内の8つの惑星について、太陽までの平均距離、公転周期、地球を1としたときの質量、密度、種類をまとめ、第九惑星と比較してみましたのでご覧ください。(数値は、『天文学辞典』(鈴木敬信:著、地人書館:1986年刊)より)
【太陽系内の惑星の諸要素】
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惑星名 | 太陽との平均距離 | 公転周期 | 質量(地球=1) | 密度 | 種類 |
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1 | 水星 | 0.58億km | 0.24年 | 0.06 | 5.4g/cm3 | 岩石惑星 |
2 | 金星 | 1.1億km | 0.62年 | 0.82 | 5.4g/cm3 | 岩石惑星 |
3 | 地球 | 1.5億km | 1年 | 1 | 5.5g/cm3 | 岩石惑星 |
4 | 火星 | 2.3億km | 1.9年 | 0.11 | 3.9g/cm3 | 岩石惑星 |
5 | 木星 | 7.8億km | 12年 | 318 | 1.3g/cm3 | ガス惑星 |
6 | 土星 | 14億km | 29年 | 95 | 0.7g/cm3 | ガス惑星 |
7 | 天王星 | 29億km | 84年 | 15 | 1.3g/cm3 | ガス惑星 |
8 | 海王星 | 45億km | 165年 | 17 | 1.7g/cm3 | ガス惑星 |
9 | ? | 1050?億km | 2万?年 | 10? | ? | ? |
なお、第九惑星の軌道は、太陽からもっとも遠い位置で1800億km、もっとも近い位置で300億kmと推定されているそうなので、これがどれだけ太陽に近づいたとしても、地球に影響を与えることはないと思われます。
しかし、今まで第九惑星の存在に気がつかなかったということは、もっと質量の小さな未知の天体が存在したとしても不思議ではありません。
もしそれが数千年程度の周期で太陽近傍に飛来して、地球に大災害をもたらすことがあったとすれば、その周期があまりにも長いため、被害の様子は、例えば「ノアの箱舟」のような神話の世界の物語として語り継がれたことでしょう。
そして、その天体が次に太陽に接近する際には、今回その存在が確実視されることとなった第九惑星よりも早く発見されて、これこそが真の第九惑星として歴史に名を残すことになるのかもしれません。 (2023年11月5日)